小鉄の闘病記録008
小鉄の毛がごっそり抜けた。
抗がん剤の副作用だ。
脱毛が1番出やすいと聞いていたことと、痛がってはいないため取り乱さずにすんだ。
ただ、かゆがっているので、爪で傷つける前にと、毛と剥がれかけている頭皮をかいてやると、恐ろしい勢いで禿げたので怖くなってやめる。
禿げても愛しているけれど、これからひどくなる太陽光と紫外線への防御力が下がるのは困る。
地肌が丸見えで、少し赤みを帯びた箇所もあるのが可哀想だったので、軟膏を塗り込めた。
まだ抜けそうな箇所がかなりあるため、そのうち河童のようになるかもしれない……
これは小鉄が放射線治療を頑張った証なので、いっぱい撫でてやる。
こぶが大きくなっている。
放射線治療終了直後の倍以上あると思う。
治療の効果が早く出た分、効き目が無くなるのも速いのだろうか?
ちょっといびきもかいた。
今までかかなかったのに……
鼻の通り道まで癌が進行しているのかもしれない。
もう一度大きな病院でCTを撮ってもらうのは、5月17日だ。
本当は毎日撮ってもらって、大きさを確認したいくらい。
後どれくらいなのか、私たちの日々の選択ひとつひとつが、もしかしたら間違っていて、小鉄の寿命を縮めているのではないか。
拭えない恐怖と焦燥感で涙が止まらない。
でも、膝の上で甘えるように頭を乗せて眠る小鉄は、すごく頑張っているんだから、私も頑張らないと。
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