柴犬小鉄の闘病記録

柴犬小鉄に悪性の鼻腔内腫瘍、ガンがあるとわかりました。これから先、小鉄の病気と死と向かい合うため、そして、同じように苦しみ悲しんでいる飼い主のため、その日々を綴っていこうと思います。

小鉄の闘病記録006



 小鉄の放射線治療が終わった。


 小鉄はとても頑張った。

 平日は毎日早朝から車で片道3時間かけて県外の病院へ行き、病院で3時間過ごし、また片道3時間かけて帰って来る。

 疲れきっていたと思う。


 毎朝小鉄は、みじろぎひとつせず、ハーネスをつけられていた。

 いつもはお散歩するよ、と声をかけると柴距離を保ちつつも近寄って来て、ハーネスをつけると玄関前でスタンバるのに……

 病院へ行く日は、ハーネスをつけても動かない。

 行きたくなかったんだろうな……

 それでもリードを引くと、素直について来た。


 小鉄には、放射線治療が自分の治療のためだなんてわからない。

 痛くても、その状態を受け入れて、予後なんて意識しない。


 だから、小鉄が頑張ったのは、ひとえに私たちのためだ。

 ありがとう、小鉄。


 小鉄にとってこの辛い1ヶ月に見合うだけの幸せを、私たちは残り少ないであろう小鉄に与えられるだろうか?

 そして、後どれくらい一緒にいて、愛し合えるだろうか?


 毎晩小鉄の腫瘍を撫で、どうか小さくなりますようにと祈っている。


 小鉄の腫瘍は少しだが小さくなった。

 末期癌なため望み薄だったが、少しとはいえ小さくなった。

 嬉しくて嬉しくて、小鉄が頑張ったからだねといっぱい褒めた。


 小鉄に治療を続けさせてやりたい……

 だが、今回までの治療費で100万円近くかかった。

 もうお金がない。

 父の容態も悪い。

 抗がん剤治療を続けるにはまだお金が必要で、必要かつ可能ならば何度だって放射線治療を受けさせたい。

 自分の不甲斐なさが情けない。


 せめて治療を諦めるときは、お金が尽きたときではなく、小鉄が生きることに限界を感じたときにしたい。

 

 でも今は、小鉄のために色々なものを食べさせて、色々なところに連れて行きたい。

 川遊びだってもっとさせてあげたいし、山や森の中を散策もしたい。

 一緒にお昼寝して、一緒にお散歩したい。


 頑張ろう。

 小鉄が頑張っている以上に頑張るのが私の役目だ。