柴犬小鉄の闘病記録

柴犬小鉄に悪性の鼻腔内腫瘍、ガンがあるとわかりました。これから先、小鉄の病気と死と向かい合うため、そして、同じように苦しみ悲しんでいる飼い主のため、その日々を綴っていこうと思います。

柴犬小鉄の闘病記録004

 2024年03月14日、大きな動物病院で小鉄を診てもらった。


 最初に、鼻腔内腫瘍についての診療計画の説明を受ける。

 鼻腔内腫瘍では、外科的手術による根治は望めず、放射線治療を主とする緩和的治療をするしかないとのことだった。

 放射線治療のみでは70%程度の効果があり、抗がん剤を併用すると80%程度に上がるらしい。

 生存率50%のラインは、1年と言われた。

 また、放射線治療には、週1回✖️8週間(40〜50万円)と週5回✖️3週間(60〜70万円)の選択肢があり、週5回のほうが生存率は高くなるようだ。

 迷わず、抗がん剤治療との併用と週5回の放射線治療を選択する。


 ただし、篩骨が破壊されている場合、予後がぐっと悪くなると告げられた。


 次に、小鉄の血液検査とCTによる画像検査を受ける。小鉄を預け、夕方まで祈るような想いで待つ。


 そして、夕方、小鉄のステージが4段階中の4、篩骨が破壊されている末期癌だと告げられた。

 生存率50%のラインは、4〜6ヶ月。


 覚悟はしていた。かかりつけの動物病院でCTとMRIの画像検査を受けた際、かなり大きく骨が破壊されていたのが見てとれていたから。

 涙も、声の震えも止まらなかったが、それでも治療をお願いしますと、頭を下げた。


 小鉄が腕の中に帰って来て、おかえり、頑張ったねと抱き締めて、いっぱい褒める。

 嬉しそうに私を見上げる小鉄と、散歩へ行った。


 落ち葉を楽しそうにシャクシャク踏む小鉄を見ながら、よかった、夏まで生きられるのだ、と思った。

 小鉄は、水遊びが大好きだから。

 あったかくなったら、いっぱい川へ行こう。


 それに、生き物は%では測れない。

 お医者様も、1年を越えて頑張る子もいると言っていたから、小鉄にも奇跡が起きるかもしれない。


 家に帰宅後、小鉄の頭を洗う。

 血と恐らく消毒液でベタベタだったが、痛いかもしれないと思ってずっと触っていなかった。


 綺麗にした後、小鉄の小さな頭を撫でる。

 コブが大きくなっていて、ああ、小鉄は死ぬのだと感じた。

 優しく優しく繰り返し撫でると、小鉄が目を細めてうっとりした表情を浮かべる。

 頭と顔と目を手のひらで覆うように撫でられるのが大好きだから。


 小鉄の天命はわからない。

 それでも、少しでも長く一緒にいたい。

柴犬小鉄の闘病記録003


 大きな病院の初診予約にキャンセルが出て、12日早く診てもらえることになった!


 お散歩も元気に行くし、電車にも大喜びするし、おやつも選り好みしつつちゃんと食べるから、大丈夫、まだ大丈夫。


 早く治療してもらおうね。

柴犬小鉄の闘病記録002

 昨日、大きな動物病院から病理検査の結果は届いたか、紹介状の返信は届いたか、かかりつけの動物病院に電話で午前中に問い合わせたところ、病理検査の結果が届いたとのこと。

 そして、夕方かかりつけの動物病院から電話があり、紹介状の返信が届いたと連絡を受ける。


 まずは、電話口でそのまま紹介状の返信を聞く。

 初回受診日が3月下旬となった……

 2週間後の日付には、間に合わなかった。

 放射線治療を最初は諦めかけていたから、病理検査の結果を待たないと紹介状を書いてもらえないと思い込んでいたから、3月上旬でもなく中旬でもなく下旬になっちゃったんだ!

 後1ヶ月、この子は保つの?

 治療は、間に合うの!?

 泣くのをぐっとこらえ、小鉄の抜糸もかねて、動物病院へ行きますと答える。


 小鉄を迎えに家に行き、同時に午前中たまらず動物病院へ行った母から病理検査の結果をもらう。

 病理検査の結果、小鉄の鼻腔内腫瘍が、扁平上皮癌であると知った。

 よりによって、進行が早く、予後の悪い扁平上皮癌だった。


 たまらず車内で号泣してしまう。

 なんでなんでなんでなんで、いつもいつもいつもいつもさらに悪い方、確率の低い方を当ててしまうのか!

 柴犬はがんになりにくく、放射線治療しかできない鼻腔内腫瘍はがんの内1%で、その上ほとんどが1年後の生存率も75%の腺癌なのに!

 小鉄はがんになって、鼻腔内腫瘍で、生存日数の中央値が7ヶ月しかない扁平上皮癌なのか!


 動物病院で、努めて冷静に話を聞く。

 まずは、小鉄が1ヶ月保つかどうか。それまで抗がん剤など飲んだほうがいいのか。

 1ヶ月保つかどうかはなんとも言えないとのこと。そして、抗がん剤はあまり意味がないそうだ。今食欲があるなら、それを維持したほうがいいとのことだった。食べないというのは、がんにエネルギーを使われている危険な兆候だからと。


 次に、扁平上皮癌について。腺癌よりも生存率が低いが……という不安を伝えたら、

「生き物は、パーセンテージで表せないです。」

と言われた。一気に涙腺が緩んだ。



 そうだね、小鉄には、小鉄だけの天命があるね。可能性が高いか低いかは、問題じゃないね。小鉄への愛を数値で表せないのと同じだね。


 最後に抜糸をお願いして小鉄を預けると、激しく抵抗するので鎮静剤を使いますと伝えに来られた。お願いしますと頭を下げてからしばらくして、小鉄がぐんなりした様子で帰って来た。しばらく安静にした方がいいとのことだったので、力の入らない小鉄を胸に抱え、車で様子を見る。


 すごく怖かった。今は鎮静剤の効果でぐったりしているが、いつかがんでこうなるのだと。小鉄の頭を撫で、ずっと大丈夫だからねとささやく。



 家に帰ってからも、元気がない上、何も食べないから心配……